バーチャル書庫について

本サイトは、政治学者・丸山眞男が生前、自宅に所蔵していた時の蔵書状況をウェブ上に再現したものです。

丸山の蔵書は、1998年9月に東京女子大学に寄贈され、99年春から図書館地階のコーナーに搬入され始めました。その配架に際して「蔵書の配列順もまた丸山の思想を反映する」という考えの下、丸山家に所蔵されていた際の配列を可能な限りいかす方針がとられました。現在でも、東京女子大学丸山眞男文庫に所蔵されている書籍は、一般的な図書館の分類法に基づかず、丸山家における配列を再現した形で書架に並べられています。ただ丸山の書きこみがあったり、保存状態が悪かったりした書籍は、管理保存の観点から閉架書庫に収蔵する方針をとりました。このため丸山家にあったような形での蔵書の全体像を見ることは、現在では不可能になってしまいました。

このバーチャル書庫は、丸山の思想が反映されたもとの書架の配列を、より多くの方々にご覧いただくために作られたものです。なお、本バーチャル書庫は、2012(平成24)年度「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」の採択を受けて作られました。

バーチャル書庫へは以下の間取り図からどうぞ

ご利用になる際の注意点

本バーチャル書庫は、丸山眞男の生前の書籍の所蔵状況を可能な限り再現したものです。ただし、いくつかの点で、当初の所蔵状況とは大きく異なる部分もあります。本バーチャル書庫をご利用の際は、以下の点をご留意ください。

丸山眞男とは

丸山眞男©朝日新聞社1914-1996。20世紀の日本が生んだ世界的な学者・思想家。父・幹治は戦前の代表的政論記者。その友人・長谷川如是閑の薫陶をうけて育った。日本学士院会員、ハーバード大学・プリンストン大学名誉博士、東京大学名誉教授。主著『日本政治思想史研究』『現代政治の思想と行動』は数ヶ国語に翻訳され、世界中に広い読者をもつ。『日本の思想』は岩波新書中でも超ロングセラーの一つである。南原繁の勧めで日本政治思想史を専攻し、徳川時代における近代的思惟の形成を実証して、この学問分野の確立に資した。また治安維持法による検挙・勾留や一兵卒としての兵営生活の経験などをふまえ、近代日本の天皇制的精神構造を内側から分析し、「抑圧移譲の原理」や「無責任の体系」の仕組みを解明した。さらに福澤諭吉研究を通して明治維新がもつ今日的意義を明らかにし、自発的結社を核とした「市民社会」の形成や「精神的貴族主義」の必要を強調した。永久革命としての民主主義の主張、また戦後の大衆社会状況下での人々の原子化と大衆民主主義の陥穽(画一化)の指摘はこれと裏腹の関係にある。米ソ冷戦の最中に、政治的リアリズムの観点から日本国憲法第九条のもつ世界史的意義を高唱し、国際秩序の再編を構想した。